免疫療法

 癌の三大治療法(手術・抗癌剤・放射線)によって、癌が撲滅されているわけではありません。近年になって、癌の発生や進展には免疫力低下が関与していることが認められてきました。そして、第4の治療法として免疫療法が脚光を浴びてきました。免疫という言葉が知れ渡ってきましたが、感覚的な言葉として捉えられているようです。また、免疫療法をいわゆる民間療法ととり違えたり、近代の三大治療法とは相容れないものと受けとられがちであることも問題です。

 生体は自然免疫と獲得免疫を用いることで癌を排除あるいは癌の増殖を抑制しているのではないかと考えられてきています。生体に癌細胞が発生すると、生体はさまざまな仕組みで癌細胞を排除しようと試みます。自然免疫もその仕組みの一つと考えられており、自然免疫の主役を担う貪食(どんしょく)細胞、NK細胞や好中球が癌細胞を攻撃・排除します。癌細胞を排除する自然免疫の仕組みがうまく働かないと癌細胞は増殖を続けてゆきます。自然免疫で癌の増殖を抑えきれない場合、次に獲得免疫が働くことで癌細胞を攻撃・排除あるいは増殖を抑制することができるのではと考えられています。
  癌を排除あるいは増殖を抑制するためには、自然免疫と獲得免疫の両方の免疫力を上手に組み合わせてやる必要があります。


今回は、免疫療法について簡単に紹介させて頂きます。


がん免疫ドック

 癌に対する免疫とアレルギーの免疫とは異なります。癌の免疫は細胞性免疫といい、定量的な評価法として、「がん免疫ドック」というスクリーニング検査があります。これは、約50ml採血をし、細胞性免疫で重要なインターロイキン12などのサイトカインの定量と同時に、21種類の腫瘍マーカを測定します。よって、細胞性免疫力や腫瘍細胞の存在臓器などが画像診断で発見されるよりも早期に推測できます。病変の可能性のある臓器については精密検査を実施します。この検査の他のメリットは、不必要な放射線被曝量を減らせることです。


免疫賦活健康食品

 アガリクスなどのキノコ類にはβ-グルカンが含まれており、これが小腸を通過してマクロファージなどの免疫細胞に到達し、免疫担当細胞を賦活します。ただし、キノコ類だけを多種大量に摂取すると次第に免疫力が低下する可能性がありますので、D-12などハーブ系の健康食品を併用すると良いでしょう。しかし、自身の免疫力を計ることなく闇雲に健康食品を食することは問題です。


NK細胞療法

 生体には、元来異常細胞を排除する力が備わっており、それを担っているのがナチュラルキラー(NK)細胞です。このNK細胞は、健康食品などによっては増殖しませんので、癌細胞と闘える数量にするために体外での増殖が必要となります。NK細胞療法は、20-40mlの採血をし、NK細胞だけを2週間培養した後、静脈から体内に戻す治療法です。培養により、NK細胞の数は元の体全体の凡そ10倍の数に増加します。血液中に戻されたNK細胞は速やかに悪性細胞の抑制に働きます。ただし、NK細胞は役割を果たすと消滅するので、一定期間この治療を繰り返す必要があります。


プラセンタ療法

 プラセンタとは胎盤のことです。これから作られたエキス製剤を注射や経口摂取することによって免疫力が回復します。また、抗癌剤や放射線療法による悪心や極度の疲労感などが軽減されます。


免疫療法の問題点

 免疫療法は、経験則のみで行うものではなく、がん免疫ドックなどで科学的な指標を基に実施すべきです。健康食品を摂取することが免疫療法ではありません。また、免疫治療単独で全てが解決するほど癌の治療は容易ではありません。手術や抗癌剤を受ける前から、予め免疫力を回復・増強しておく必要があると考えます。


最後に御家族の方へ

 免疫療法を行うには、経済的にも精神的にも御家族のご協力が必要です。常に前向きの言葉がけに心掛け、負担になる言葉(まだ、辛い、可愛いそう、もっと頑張って)を減らすようにしてあげて下さい。


一日も早いご快癒を祈ります
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by nk-clinic-hp | 2005-08-03 15:10
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